てんかん

訪問診療ありよし脳神経内科・嚥下クリニックは新川にある訪問診療・脳神経内科です。通院が困難な方、退院後のケアが必要な方などの在宅療養を24時間体制でサポートいたします。

てんかんとは

てんかんは、脳の神経細胞が異常に電気的興奮を起こすことによって発生する慢性の神経疾患です。
発作は突然の一過性の症状で、意識障害や痙攣(けいれん)などが特徴的です。
てんかんは年齢や性別に関わらず発症し、症状の程度や種類は個々に異なります。

てんかんの原因

てんかんの原因は多岐にわたりますが、大きく分けて以下のように分類されます。

  • 特発性てんかん:特定の原因が見つからず、遺伝的要因が関与していると考えられるものです。
  • 症候性てんかん:脳の損傷や病変が原因で発症するもので、脳腫瘍、脳出血、脳外傷、脳炎などが含まれます。
  • 原因不明のてんかん:現在の医療技術では原因を特定できないものです。

てんかんの症状

てんかん発作の症状は非常に多様で、発作の種類によって異なります。
主な発作の種類とその症状は以下の通りです。

部分発作

  • 単純部分発作:意識が保たれたまま体の一部が痙攣する、異常な感覚や感情が生じる。
  • 複雑部分発作:意識が一時的に混濁し、無意味な動作(自動症)を繰り返す。

全般発作

  • 強直間代発作(大発作):全身が硬直し、その後に激しい痙攣が起こる。発作後は疲労感や意識混濁が続く。
  • 欠神発作(小発作):短時間(数秒から数十秒)の意識喪失が起こる。動作が止まり、空を見つめるような状態になる。
  • ミオクローヌス発作:体の一部または全身の筋肉が一瞬びくっとするように痙攣する。

てんかんの治療法

てんかんの治療は、発作のコントロールと生活の質の向上を目指しています。
以下の治療法があります。

薬物療法

  • 抗てんかん薬:発作を予防するために使用される薬です。患者さんの発作の種類や頻度に応じて、適切な薬を選びます。一般的な抗てんかん薬には、カルバマゼピン、バルプロ酸、レベチラセタムなどがあります。

手術療法

  • 薬物療法で発作がコントロールできない場合、脳の異常な部位を取り除く手術が検討されることがあります。これにより、発作の頻度や重症度を大幅に減少させることができます。

非薬物療法

  • ケトジェニックダイエット:高脂肪、低炭水化物の食事療法で、一部のてんかん患者に有効とされています。
  • 神経刺激療法:迷走神経刺激(VNS)療法や深部脳刺激(DBS)療法など、脳や神経に電気的刺激を与える治療法です。

てんかんとの向き合い方

てんかんは適切な治療と管理により、多くの患者さんが通常の生活を送ることができます。
以下のポイントを心掛けると良いでしょう。

  • 定期的な診察:医師の指示に従い、定期的に診察を受けることが重要です。
  • 薬の服用:抗てんかん薬を忘れずに服用し、自己判断で中止しないようにします。
  • 生活習慣の改善:十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動を心掛け、ストレスを避けるようにします。
  • 発作時の対処:周囲の人に発作の対処法を教え、緊急時に適切な対応ができるようにします。

家族や友人の支援も大切です。
てんかんに関する知識を共有し、サポート体制を整えることで、患者さんの生活の質を向上させることができます。